白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
当然のように言われた言葉が、すごく嬉しいと思った。
椿社長の隣に立つことを認められたような、「好き」と伝えられた時とはまた違う喜び。
「それなら尚更、今日でも良かったんじゃないですか?」
お二人が会いたいと言っているのなら、そこに私が居て邪魔ではないのなら、そういう大切な話は早い方がいい。
だけどそうではないらしい椿王子が、呆れたような顔で私を見る。
「私、おかしなこと言いました?」
「言ったな」
「どんな?」
聞き返せば、その手が頬に触れた。
「お前との時間を邪魔されたくない」
「え、」
「だから今日は無理」
「でも、」
「あいつらの結婚以上に、今は芙美と過ごす時間の方が大事って意味。わかる?」
触れられた頬が、熱い。
熱い。
「あの……私も、二人で居たいです」
照れくさくて、燃えるように熱くて、その顔を見ていられないと思った。
もちろんそんなことは許されなくて、「芙美」と優しく私を呼んだ男が、求めるように距離を詰めた。