白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
それを横目に見ながら受付を通り過ぎる。
高層ビルが建ち並ぶオフィス街の一角。駅からも歩いて10分もしない場所にあるうちの会社は、1、2階にはレストランやカフェが入っていて、一般の方でも利用出来るようになっている。
オフィスとして使われているのは3階からだ。
とは言っても、下の階は来客用の応接室や、打ち合わせ用の個室、研修室、更衣室に社員食堂だったりして私たち社員が実際に働いているのは10階から上だったりする。
傘をさして歩く人々を見ながら、駅に着くまでに濡れることを覚悟する。
吹き抜けになっているエントランスを一人歩いていた私は、外に出る直前で歩みを止めた。
「……まさかね」
ほんの一瞬視界に入ったそれに、きっと見間違いだと思いつつも、私は恐る恐る振り返る。
振り返った先には幾つかのソファが並べられている。
いつも通りの光景だ。たった一つを除けば。
社員の多くが帰った後のエントランスで、長い足を組みソファに座る一人の男。
「椿社長!?」
あまりに驚いた私の声が、静かなビルの中に響き渡る。
だから慌てて口を閉じ、椿社長のもとに駆け寄った。
「こんな所で何してるんですか??」
高層ビルが建ち並ぶオフィス街の一角。駅からも歩いて10分もしない場所にあるうちの会社は、1、2階にはレストランやカフェが入っていて、一般の方でも利用出来るようになっている。
オフィスとして使われているのは3階からだ。
とは言っても、下の階は来客用の応接室や、打ち合わせ用の個室、研修室、更衣室に社員食堂だったりして私たち社員が実際に働いているのは10階から上だったりする。
傘をさして歩く人々を見ながら、駅に着くまでに濡れることを覚悟する。
吹き抜けになっているエントランスを一人歩いていた私は、外に出る直前で歩みを止めた。
「……まさかね」
ほんの一瞬視界に入ったそれに、きっと見間違いだと思いつつも、私は恐る恐る振り返る。
振り返った先には幾つかのソファが並べられている。
いつも通りの光景だ。たった一つを除けば。
社員の多くが帰った後のエントランスで、長い足を組みソファに座る一人の男。
「椿社長!?」
あまりに驚いた私の声が、静かなビルの中に響き渡る。
だから慌てて口を閉じ、椿社長のもとに駆け寄った。
「こんな所で何してるんですか??」