白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
「相川部長の専門は30代からですもんね」
「はっはっは!家崎君には敵わないな」
「午後から銀座に行くので、百貨店でも見てきますね」
「おお!悪いね!」
「高くつきますよ?」
「はいはい。そういえば、昨日はどうだったの?」
ニコニコと人懐っこい顔で笑いながら、部長が突然話題を変える。だから思わず、肩に力が入った。
「ほら、なんだっけ。どっかの雑誌のバレンタインパーティーだったよね?何か収穫はあったかい?」
せっかく頭の片隅に追いやった名刺の存在を再び思い出す。
「あれ?珍しい。イマイチだったの?」
「いえ、そうですね。どっちかっていうと芸能関係が多くて。あ、でもチョコレートがとっても美味しくて」
「へーチョコレート」
「はい。たしかパティシエを題材にした映画のプロモーションの依頼が来ていましたよね?それのイベントで使ってもいいかもしれません」
「ああ、企画の野瀬が任されていたのか」
その名前に、浮かんだ案を後悔する。
「・・・やっぱ止めようかな」
「え?」
「情報まとめるので、部長から伝えておいてください」
「え?自分で言わないの?」