白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
声を潜める私を、ソファに座った男が見上げる。
「何って、迎えに来ただけだ」
この男と、椿王子と付き合い始めて3ヶ月が過ぎた。
だけどこんなことは初めてだ。
「迎えにって、どうして急に?」
仕事終わりに食事をするときは事前に待ち合わせ場所を決めるし、お泊りの時は私がマンションまで行く。
他社の社長であるこの男が、わざわざ別の会社に迎えに来るなんてことは今まで一度もなかったし、どう考えてもこの状況はおかしい。
「どうしてって言われても、気が向いたから」
「そんな、困ります」
突然のことに戸惑う私に構うことなく、椿社長は立ち上がり、私の荷物を取り上げる。
「雨が降ってきたから、彼女を迎えに行こうと思ったのが、そんなに不思議か?」
優しく目を細めて、男は揶揄うように言う。
「だって、こんな場所で椿社長を待たせるなんて……」
「彼女を迎えに来て、応接室に通されるほうがおかしいだろ」
「それは……」
たしかにそうだけど、それでもやっぱり椿社長は椿社長なわけで、こんな姿を他の社員が見つけたら驚くに違いない。
きっと説明してもわかってくれないだろうけど。
「何って、迎えに来ただけだ」
この男と、椿王子と付き合い始めて3ヶ月が過ぎた。
だけどこんなことは初めてだ。
「迎えにって、どうして急に?」
仕事終わりに食事をするときは事前に待ち合わせ場所を決めるし、お泊りの時は私がマンションまで行く。
他社の社長であるこの男が、わざわざ別の会社に迎えに来るなんてことは今まで一度もなかったし、どう考えてもこの状況はおかしい。
「どうしてって言われても、気が向いたから」
「そんな、困ります」
突然のことに戸惑う私に構うことなく、椿社長は立ち上がり、私の荷物を取り上げる。
「雨が降ってきたから、彼女を迎えに行こうと思ったのが、そんなに不思議か?」
優しく目を細めて、男は揶揄うように言う。
「だって、こんな場所で椿社長を待たせるなんて……」
「彼女を迎えに来て、応接室に通されるほうがおかしいだろ」
「それは……」
たしかにそうだけど、それでもやっぱり椿社長は椿社長なわけで、こんな姿を他の社員が見つけたら驚くに違いない。
きっと説明してもわかってくれないだろうけど。