白馬の悪魔さま 【完】番外編追加

こんなろくでもない話を、笑うこともバカにすることもなく、真剣に聞いてくれる里香は、やっぱり最高に可愛い。

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二週間前に社長に連れられて行った、イタリアンレストランのオープン記念パーティーで出会ったのは、やたらと綺麗にスーツを着こなす男だった。
有名シェフの新店舗とあって、沢山の美食家が集まったパーティー会場での私の仕事は、よく知る取引先のお偉いさんたちへの挨拶と言う名のご機嫌取り。
それから、初めて会う人も多い中で、いかに人脈を広げるか。
社長が好んで私をパーティーに同伴させる理由だ。

この日の為に奮発したGIVENCHYの黒のイブニングドレスは、女性らしい身体の曲線を最大限に引き出してくれる。
オードリーが好んで着たのも納得が出来る。
こういう時、黒を選ぶのは派手にしたくないから。
パーティーと言っても仕事の一環である姿勢を崩したくない。その方が、突然ビジネスの話になった時も相手から嘗められない。
それに派手な色を選ばなくたって、目を引く事は出来る。
シンプルな黒のドレスだからこそ、着る人物の品性、知性や色気、内面の魅力を引き出してくれる。

この年齢になれば、自分の見せ方くらい知っている。