白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
▲▼▲▼

「家崎からのお誘いなんて珍しいな」

「すみません、急に」

「僕は嬉しいくらいだけど、そっちは何かあった?」

「いえ、特に何も」

「先輩である僕が来るのを待たずに一人で飲んでいるなんて、何かあったとしか思えないけど?」

そう言って、私の手からグラスを取ったのは、大学の先輩である北川さんだ。

「すみません。ちょっと予定をドタキャンされまして」

「それで僕を呼んでくれたんだ?」

「この前、先輩からの誘いを断ってしまったので」

「はは、家崎は相変わらず小悪魔だよな」

「え?」

「どうせ男だろ?そのドタキャンの相手」

北川先輩がウエイターに私と同じワインを頼み、テーブルにつく。

「他の男の穴埋めに僕を使うなんて、家崎くらいだよ」

「・・・すみません」

「まあ、いいけど」と、北川先輩はネクタイを緩めながら、真っ直ぐに私を見る。

「僕のチャンスが回って来たと思っていい?」

「え?」

不意に、テーブルに置いた携帯が勢いよく鳴り出した。
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