白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
そう言った先輩が、私の腰に手を当てると少し強引に引き寄せた。
「先輩、あの、」
明らかに気分を害している先輩の行動に戸惑いながらも、椅子の上のバッグを手にして、帰り支度をする。
せっかく楽しみにしていたレストランだったのに、最悪だ。
これって私のせい?それとも・・・。
「芙美」
「・・・っ」
突然、耳に落ちてきた声に動きを止めた。
先輩に抱き寄せられながら、出口へと向かおうとしていた足が、何かの呪文に掛かったように動かなくなった。
振り返れないでいる私の髪に、伸びてきた手が優しく触れた。
ああ、だめだ。顔を上げてしまう。
「芙美、俺のチョコレートは買えた?」
そんな声は、反則だ。
その顔だって、ずるい。
「・・・買いました」
ユルリと目元に笑みを作る椿王子に、身体の奥から込み上げてくる苦しいような、くすぐったいような感情。
「それなら、どうするべきかわかるだろ?」
髪を撫でる指先に、昨日の出来事が甦る。
「・・・あの、」
「先輩、あの、」
明らかに気分を害している先輩の行動に戸惑いながらも、椅子の上のバッグを手にして、帰り支度をする。
せっかく楽しみにしていたレストランだったのに、最悪だ。
これって私のせい?それとも・・・。
「芙美」
「・・・っ」
突然、耳に落ちてきた声に動きを止めた。
先輩に抱き寄せられながら、出口へと向かおうとしていた足が、何かの呪文に掛かったように動かなくなった。
振り返れないでいる私の髪に、伸びてきた手が優しく触れた。
ああ、だめだ。顔を上げてしまう。
「芙美、俺のチョコレートは買えた?」
そんな声は、反則だ。
その顔だって、ずるい。
「・・・買いました」
ユルリと目元に笑みを作る椿王子に、身体の奥から込み上げてくる苦しいような、くすぐったいような感情。
「それなら、どうするべきかわかるだろ?」
髪を撫でる指先に、昨日の出来事が甦る。
「・・・あの、」