白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
「ムカつくほど、楽しみにしていたのか?」
「・・・は?」
「だってそうだろ?俺に約束を破られたと思って、どうでもいい男とヤケ酒するなんて、俺に会いたかったとしか思えない」
あまりに勝手な推測に、否定したいのに頬は熱くなる。
「別に、そんなつもりで言っていません。ただ、早くお詫びをしないと落ち着かなかっただけです」
「ふーん。ま、どっちでもいいけど」
「え?」
静かな車内で視線がぶつかる。
「俺は芙美に会いたかったから」
綺麗な男は、何を躊躇うことなく言葉を吐いた。
「昨日の夜別れてから、ずっとね」
こうれでは不機嫌に顔を顰めている私がバカみたいだ。
男の勝ち誇った笑みが余計にそう感じさせる。
「そういう冗談は、嫌いです」
「冗談じゃないって言ったら?」
「・・・嘘に決まってる」
「どうかな?」
「・・・信じません」
「なんだ。残念」
全く、これっぽっちも残念そうではない。