白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
「本当に、本当に、チョコ食べるだけですか?」
「だから、芙美が望むならその先をしても、」
「ないから!食べたらすぐ帰ります!」
焦る私を、男がまた笑う。
なんでこんなにも、この男に振り回されているのだろう。
嫌なのに、拒み切れない。
▲▼▲▼
招かれた部屋は、私の暮す1LDKのマンションとは比べ物にならないくらいに広く綺麗な空間だった。
「すごい」
目の前に広がる夜景に、思わず声を零した。
「高いところ平気なら外出る?」
「出られるんですか?」
「一応ね。風が強い日はお薦めしないけど」
「でも怖そう」
「それならまずは、ここで寛いだら?」
その視線が、広いリビングに堂々と置かれたソファを指すから、私はそれに従い腰を下ろす。
今まで座ったどのソファよりもふかふかだ。
「飯食うから、適当に時間潰していればいいよ」
「ご飯?」
「芙美があの先輩と楽しんでいる間も、こっちは必死で働いていたんだよ」
「え、じゃあ・・・」