白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
「手、止まってる」
「すみません!」
掛けられた声に、私は慌てて手を動かした。
生クリームを足してとろみが出てきたところでパスタを加える。並べられたスパイスの中からブラックペッパーを選び降りかける。
「ゴルゴンゾーラ?」
「風、ですけど」
最後に細かく刻んだパセリを入れて火を止めた。
「ちょっと多かったかもしれません」
「いいよ。明日も食べる」
渡されたお皿にパスタを盛り付ける。
これまた高級そうなお皿だ。
「ワイン、飲む?」
「・・・じゃあ、少しだけ」
グラスを二つ持った椿王子が、パスタを手にキッチンを出て行く。
私は冷蔵庫から生ハムとチーズ、それからオリーブを取り出して、急いで盛り付けるとその後を追った。
「優秀過ぎるな」
ワインのつまみをテーブルに並べると、褒められた。
それから椿王子は、幾つものワインが入った棚から、一本のワインボトルを持ってきた。
「この赤は、チョコレートに合うんだ」