白馬の悪魔さま 【完】番外編追加

「え、仕事じゃないって、」

「ミーティング中に他事考えていたなんて、新入社員の手本にならなよね。私もちゃんとしないと。講師としても社会人の先輩としても」

仕事とプライベートを区別できないでどうする。

「待って!芙美ちゃん!」

「何?」

「仕事じゃないって、仕事じゃないことでこんなに落ち込んでいるってこと?」

机に両手を突いた里香が、身を乗り出して私を見た。
ただでさえ大きな目が、今にも零れそうだ。

「いや、落ち込んでいるわけでは・・・」

「だって!あの芙美ちゃんが!仕事に支障が出ちゃうくらいに悩むなんて、大事件だよ!!」

「大袈裟だよ」

「もしかして・・・」

今度はその目を細めて、神妙な顔で私を見る里香に、何故か気持ちが落ち着かなくなる。

「もしかして芙美ちゃん・・・恋したの?」

「・・・」

「・・・」

「・・・は!?」

沈黙の後、ボールペンが転がって落ちた。

「な、何、言ってるの?」
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