白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
「うん。芙美ちゃんその人に一目惚れしたんじゃない?きっとそうだよ!どうしよう!」
里香が立ち上がり、目を輝かせて私を見る。
「芙美ちゃんが一目惚れするような男性って、どんな人なんだろう!?」
「ちょっと、里香落ち着いて」
「だって!それって王子様みたいな人でしょう?」
「へ、」
「ふみちゃんの王子様が、遂に現れたんだね!」
その言葉に否定するよりも早く、身体中の熱が増した。
▲▼▲▼
「ただいま」
その声に振り返った瞬間、キスをされた。
待ち構えていたように後頭部に触れた手が、的確に私の唇を塞いだ。
こういうの、どうかと思う。
「……人前ですよ」
「だから?」
「見られます」
「見せつければいい」
まるで自分がこの世界の王のような言い草だ。
細められる目が含む色気が、腹立たしい。