白馬の悪魔さま 【完】番外編追加

「目的はなんですか?」

「目的?」

「どうして私を誘ったんですか?この前のお詫びなら、もう前回で終わったはずです」

だからこんな風に呼び出して振り回さないで欲しい。
隣で黙り込む椿社長の横顔は、私の言葉に困っているように見える。面倒な女かと思われたかも。

「すみません……取り乱しました」

「一緒に居たいってのは理由にならない?」

「……え?」

視線が重なって、飲み込まれるかと思った。

「会いたいから約束を交わしたし、長く時間を過ごしたいからここに連れて来た。それ以上の理由がお前は必要?」

「……それは」

必要かと聞かれれば、必要だ。
いつもならそんな理由すら必要なかったのに。
ただ心地良い言葉に乗せてくれさえすれば、流されてもいいと思っていたのに。
でも、今は違う。椿社長だから?

「必要って言ったら、どうするんですか?」

流されるだけでは済まなくなる。

「スーパー行くぞ」

「スーパー?」

「まだ間に合う」
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