白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
「美味しいです」
「なら、次頼むときは芙美が選べよ。他のメニューも美味いから」
「……次も、あるんですか?」
気になって、隣に座る男の横顔を見る。
「俺はそのつもりだけど」
「……そうですか」
「そういえば、この前のチョコまだ残ってるけど食う?」
「え、あ、はい!」
「さすがにあの量は一人で食えないからな」
椿王子がそう言って笑った。
どんな表情も、悔しいけど絵になる。
そんな綺麗な横顔を盗み見ながら、私はまたワイングラスを手にした。
このまま、酔ってしまいたい。
食事を終えると、椿王子に誘われてバルコニーに出た。
今日は少し暖かい。
夜景を眺める私の唇に、甘いチョコが触れる。
「ん、」
「甘い?」
「甘いです」
「美味しい?」
「美味しいです」
「そう」