白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
ありえない。
あの男もだけど、それに落とされた自分もそれと同等か、それ以上にありえない。
なんでいつもこうなるのだろう。
けばけばしい部屋のベッドの上で、私は頭を抱えて息を吐いた。今回も失敗だ。

▲▼▲▼

結局、その後に彼から来たメールに返信をすることはなく、しつこく掛かってきた電話に、丁寧にお断りをしたのは一昨日のことだ。

「芙美ちゃんの王子様は、どんな人なんだろうね?」

「王子様が居るとは思えないけどね」

こんな私の失敗を毎回耳にしながらも、未だに目を輝かせて期待してくれる里香のパワーを、最近は分けて欲しいとすら思う。

「でも明日もパーティーでしょう?」

「本当に最悪」

「羨ましいけどな~」

「今回は浮かれずに、しっかり仕事して来るわよ」

「お酒、飲みすぎたらダメだからね!」

「わかってる。痛いほどに」

「ナンパもダメだからね?」

「それは私じゃなくて、参加する男性陣に言ってよね」

本当に、パーティーはうんざりだ。
< 7 / 186 >

この作品をシェア

pagetop