白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
「それは誤解だよ、野瀬君!芙美ちゃんはモテモテな故に、自分から誰かを好きになったことが幼稚園のとき以来ないんだから!」
「え、里香さんと家崎さんってそんな長い付き合いなんですか?」
「ううん。芙美ちゃん、酔うとなんでも話してくれるから」
「うわ、それも意外」
「……ねえ、」
「そう!とにかく芙美ちゃんはこう見えて純粋な可愛い乙女なの!だからいつも雰囲気に流されて、よくわからない男の人とそういうことになって後悔しちゃうところが弱点なんだけどね!」
「ねえ、待って」
「でも今回の人はまともそうで安心したな」
「そうですね、相手にされなかったからって、落ち込むことないですよ、家崎さん?」
「あんた、私に恨みでもあるの!?」
「え?野瀬君が?!」
向かい合って座る里香の隣で、特別興味があるわけでもないのに話に入って来た男を睨むと、イケメンだと社内で騒がれている顔が嫌味な笑みを作る。
「僕が家崎さんに恨みですか?まさか、あるわけないですよ。まあ、強いてあげるなら、今日僕らはデートだったってことですけどね」