白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
「お仕事だったんですね」
「そう。それでやっと電話出来たと思ったら、男とデート中って、本当にお前は悪女だな」
呆れたような、だけど揶揄うような言葉に、さっき自分が吐いた嘘が本当に無意味だったと自覚する。
「あの、あれは違うんです」
「違わないだろ。まさか昨日からその男と一緒に居るとか言わないよな?」
「そんなことしていません!昨日はずっと家に一人で居ました!」
「でも今は一人じゃないんだろ?」
ああ、もう。
本当に私はバカだ。
「あの、」
「ん?」
「椿社長は、今どこですか?」
「もうすぐマンション。今、タクシー」
「それなら、私も行きます!行ってもいいですか?」
「何しに?」
わからないけど、わからないから会いたい。
それを素直に言えたら、この関係は変わるだろうか。
「……ご飯、作りに」
「ご飯ね」
「ダメですか?」