白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
「見事なほどにエリート揃いだ」
「見たんですか!?」
「悪いか?」
「悪いです!営業妨害ですよ?忘れてあったにしろ、見ることないじゃないですか」
だいたいの人は名刺を見なくても頭に入っているから、正直忘れたからといってそれほど困ることもないけど、失くすわけにはいかないものだ。
「リサーチだよ」
「リサーチ?」
「敵を知ろうかとね」
「敵って……もしかしてうちの会社ですか?それで私に近づいたとか?」
利用する為に近づいて、会社の情報を聞き出そうとか?
それなら手を出さなかったのも納得出来る。
やっぱり椿社長は私のことなんて……。
「いや、全く。これっぽっちも興味ない」
「騙したんですか?」
「そうじゃなくて、お前の会社に興味がない」
「へ?」
「言っとくけど俺、椿の人間だから」
「それは……確かに」
椿グループの関連会社で働いているだけでも世間ではエリートと言われているのに、その椿グループの会長の孫なのだから、うちの会社なんて興味なくて当然だ。