白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
足元がふらついているのにも気づかずに、チョコレートやケーキが並ぶテーブルの周りを歩いていると、突然、肩が何かにぶつかった。
その弾みに、私はバランスを崩しそうになった。
「危ない」
「ひゃっ」
ふらついた身体を、誰かが強く支えてくれた。
だけど直後に聞こえた声は、どう考えても良いものではなくて、私は恐る恐る視線を向けた。
目に映ったのは、真っ白なシャツの胸元。
だけどそれは、深い赤へと染まっていく。私が手にするグラスから零れた、ワインによって。
心地良かった酔いが、一気に冷めた。
「ごめんなさい!」
慌てて体勢を整えると、バッグからハンカチを取り出し、目の前の男性の胸元を拭こうとする。
だけどハンカチを握った手を、彼は優しく掴んだ。
「大丈夫だから、気にしないで?」
その言葉に、私はゆっくりと顔を上げた。
それから、わかりやすく息を飲んだ。
漆黒の髪をオールバックにした男の顔から、目が離せなくなった。
カッコイイなんて言葉が陳腐に思えるくらい、まるで絵画か彫刻のように美しく整った顔の男。
その弾みに、私はバランスを崩しそうになった。
「危ない」
「ひゃっ」
ふらついた身体を、誰かが強く支えてくれた。
だけど直後に聞こえた声は、どう考えても良いものではなくて、私は恐る恐る視線を向けた。
目に映ったのは、真っ白なシャツの胸元。
だけどそれは、深い赤へと染まっていく。私が手にするグラスから零れた、ワインによって。
心地良かった酔いが、一気に冷めた。
「ごめんなさい!」
慌てて体勢を整えると、バッグからハンカチを取り出し、目の前の男性の胸元を拭こうとする。
だけどハンカチを握った手を、彼は優しく掴んだ。
「大丈夫だから、気にしないで?」
その言葉に、私はゆっくりと顔を上げた。
それから、わかりやすく息を飲んだ。
漆黒の髪をオールバックにした男の顔から、目が離せなくなった。
カッコイイなんて言葉が陳腐に思えるくらい、まるで絵画か彫刻のように美しく整った顔の男。