白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
「それは……」
私だってそう思った。
いつか彼女と鉢合わせるのではないかと心配にもなる。
だけど、
「週末は来るなって、昨日ご丁寧に言われたわ」
こちらから聞く前に、予防線を張られた。
「えー何それ?信じられない」
「本当に」
こんな最低な男。
「あの芙美ちゃんをここまで振り回すなんて、よっぽど素敵な人なんだね」
「素敵って、」
「ねえ、思い切って告白してみたら?」
「馬鹿!そんなことしないわよ!」
「どうして?好きなんでしょう?」
他人事だと思って呑気なことばかり言える里香が羨ましい。
でもそれが出来たら、もうとっくにしているし、出来ないからこんなにも憂鬱なのだ。
どう考えても、私の手が届く相手じゃない。
「芙美ちゃん?」
「……たぶんまた、流されているだけだもん」
不貞腐れたような言葉に、自分で自分が嫌になる。
こんなことばかりしているから、私はお姫様になれないのだろう。