白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
もうどれだけ飲んだからわからない。
身体がふわふわして気持ちいい。
なんか、ダメかもしれない……。
「危なっ」
椅子から落ちそうになった私を、皆川さんが慌てて支えてくれる。
「家崎さん、大丈夫?」
思うように力が入らない。
眠たい。
「ごめん、無理させちゃったかな」
「ごめんなさい」
「いや、いいよ。そろそろ帰ろうか?」
「……はい」
「終電ないよね?タクシー呼ぶ?」
「タクシー……」
椿社長のマンションに帰ったら、怒られるかな。
「それか、ここ泊っていく?」
「……え、」
「ホテルだから、部屋はいくらでも用意できるよ」
「あの、」
あれ?ダメだ。
断らないといけないのに、身体が重い。
「家崎さん、一人で歩けないでしょう?」
どうしよう。頭が、回らない。