白馬の悪魔さま 【完】番外編追加

「今、部屋用意させるから」

視界が、ぼやける。

「今夜は一緒に過ごそう」

遠くで、誰かが話す声がする。
でもなんだかもう眠たくて。

意識が途切れそう。




「……んっ」

ゆっくりと瞼を開けると、翳む視界に見慣れない部屋の壁が映る。
心地の良いシーツの感触に、自分がベッドの上にいることがわかる。

「……ここ、どこ」

私、どうしてこんな場所に。
部屋に響くシャワーの音に、霞んでいた記憶が甦る。

「え、うそ!?」

急いで起き上がり自分の身体を見る。

良かった。服は着ている。
でも、どうしよう。

室内を見渡すと、ソファに置かれた自分の鞄を見つけて、急いでベッドを降りた。

ここにいたら、ダメだ。
鞄を掴み、転がっていたパンプスを履こうとした時、

「あれ、どこ行くの?」
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