ねぇ、教えてよ。
心の声を聞いてください
「相馬先生ってさぁ…」
「授業は分かりやすいけど」
「全然笑わないよねぇ」
「何考えてんのか分かんない」
子供だな、そう思った。
営業マンでもアイドルでもないのに愛想振り撒かないといけないわけ?
教師なんて、分かりやすい授業してくれたら
それで充分。
それに、あの人ちゃんと笑うよ。
煙の中で寂しそうに、笑ってた。
そんなこと知らないくせに。
「透子もそう思うでしょ?」
「うん、そうだね」
それでも“YES”と言うのは、
無難に生きていくための術。
“YES”しか許されないこの世界で
“YES”としか言えない私は無様で滑稽だ。