秋の焼き芋争奪戦
しかし、皮を食べると言っても、鳥の皮は例外だ。皮付きの鳥肉は、チキンカレーの材料として使われてしまい、後には骨しか残らない。無論、その骨でスープが作られる。鶏ガラスープと言うやつだ。
以前、店長が鳥の骨からスープを取り、カレー屋の厨房でラーメンを作ってみせたことがある。厨房には、スパイスとソースしか無いはずなのに、どう言うわけか、醤油ラーメンが出来ていた。あれは未だに納得できない。
「醤油ラーメンだけじゃないぞ。ワシの腕なら、鳥の骨から豚骨ラーメンを作ることも朝飯前だ。」
そう言い切った店長に対し、さすがに、それは無理でしょう。と否定したが、醤油ラーメンを食べ終える頃には、豚骨ラーメンが出来ていた。無論、厨房には豚の骨など置いていない。
「カレーに限らず、殆どの料理で塩を使うから、塩ラーメンを作っても面白くないな。さて、次はどうするか。醤油、豚骨、塩、ううむ。そうだ、味噌ラーメンもあるな。とは言え、味噌は個人用の冷蔵庫に置いてある。味噌を使って味噌ラーメンを作っても、それはプロの技じゃない。」
ラーメン屋の店主が聞いたら、怒り出しそうな発言であるが、変な味のラーメンを考え出されても困る。そう思った僕は、黙々と豚骨ラーメンを食べていた。
「ところで、俺の分のラーメンはどうした。長話をしていたら、俺が食べる分のラーメンが消えてしまったじゃないか。」
「そう言うなら、自分で作ってくださいよ。」
「黙れ。お前が食べる分のラーメンを作ったのだから、今度はワシのために、チャーハンと餃子を作れ。」
「ウチはカレー屋ですけどね。」
「もっと黙れ。食材の取り扱い、包丁の入れ方、火の通し方。何事も、実践を伴わねば身に付かぬ物だ。」
「料理の本よりも、経営学の本を読んでいた時間の方が長かった人に、そんな偉そうなことを言われたくないんですが。」
「とにかく黙れ。技術と言う物は、本を読むだけで身に付くものではない。」
「だから、店の経営が傾いているんですよ。経済学の本に載っていた知識しか無いから、実際の不況に対応できないんじゃないんですか。」
そんな言い争いを繰り返しながら、今に至っている。
以前、店長が鳥の骨からスープを取り、カレー屋の厨房でラーメンを作ってみせたことがある。厨房には、スパイスとソースしか無いはずなのに、どう言うわけか、醤油ラーメンが出来ていた。あれは未だに納得できない。
「醤油ラーメンだけじゃないぞ。ワシの腕なら、鳥の骨から豚骨ラーメンを作ることも朝飯前だ。」
そう言い切った店長に対し、さすがに、それは無理でしょう。と否定したが、醤油ラーメンを食べ終える頃には、豚骨ラーメンが出来ていた。無論、厨房には豚の骨など置いていない。
「カレーに限らず、殆どの料理で塩を使うから、塩ラーメンを作っても面白くないな。さて、次はどうするか。醤油、豚骨、塩、ううむ。そうだ、味噌ラーメンもあるな。とは言え、味噌は個人用の冷蔵庫に置いてある。味噌を使って味噌ラーメンを作っても、それはプロの技じゃない。」
ラーメン屋の店主が聞いたら、怒り出しそうな発言であるが、変な味のラーメンを考え出されても困る。そう思った僕は、黙々と豚骨ラーメンを食べていた。
「ところで、俺の分のラーメンはどうした。長話をしていたら、俺が食べる分のラーメンが消えてしまったじゃないか。」
「そう言うなら、自分で作ってくださいよ。」
「黙れ。お前が食べる分のラーメンを作ったのだから、今度はワシのために、チャーハンと餃子を作れ。」
「ウチはカレー屋ですけどね。」
「もっと黙れ。食材の取り扱い、包丁の入れ方、火の通し方。何事も、実践を伴わねば身に付かぬ物だ。」
「料理の本よりも、経営学の本を読んでいた時間の方が長かった人に、そんな偉そうなことを言われたくないんですが。」
「とにかく黙れ。技術と言う物は、本を読むだけで身に付くものではない。」
「だから、店の経営が傾いているんですよ。経済学の本に載っていた知識しか無いから、実際の不況に対応できないんじゃないんですか。」
そんな言い争いを繰り返しながら、今に至っている。