秋の焼き芋争奪戦
「だって、背景に花を描くのは少女漫画の定番じゃないですか。新潟の少女漫画では、背景に、この花が出てくるんですよ。」
「やはり、分かっていなかったな。だいたい、なんで新潟の少女漫画って限定するんだよ。もし、本当にそんなことがあったとしたら、沖縄の少女漫画には、思い悩む人物の背景に、真っ赤なハイビスカスの花が描かれるのか。そうやって都道府県別に特色を出してみろ、漫画家の苦労が四十七倍に膨れ上がって、日本中の少女漫画が、大変なことになるぞ。」
「だ、だけど、新潟出身の漫画家は多いんですよ。その位のことなら、楽にやれるはずですよ。」
「なら聞くが、新潟出身の漫画家は全員、背景に小菊の花を散らす演出を取り入れているんだな。そうなんだな。」
「そんなこと、確かめてみないと分からないじゃないですか。」
「確かめなくても分かる。」
そんな言い争いの中で、思案し続けていた店長だったが、ふと、何かに気付いて口を開いた。
「食べられる花があると聞いたことがある。その写真は、食用菊だな。これが、お前の聞きたかった答えだろう。」
「やっと気付きましたね。確かに、これは食用菊の写真です。」
「格好よく答えを言うには、時間が経ちすぎていますけど。週間連載だったら、次号へ続く。と言う言葉で締めくくられている所でしたよ。」
「ええい、途中で漫画の話をするから、こんなことになるんだ。さっさと次の問題を出せ。今度こそ即答してやる。」
意地になったのか、店長は声を荒げる。それを見ていた皆は、大人気ない態度だと思っていたが、携帯電話には、新たな写真が表示された。
「これで最後です。」
「やはり、分かっていなかったな。だいたい、なんで新潟の少女漫画って限定するんだよ。もし、本当にそんなことがあったとしたら、沖縄の少女漫画には、思い悩む人物の背景に、真っ赤なハイビスカスの花が描かれるのか。そうやって都道府県別に特色を出してみろ、漫画家の苦労が四十七倍に膨れ上がって、日本中の少女漫画が、大変なことになるぞ。」
「だ、だけど、新潟出身の漫画家は多いんですよ。その位のことなら、楽にやれるはずですよ。」
「なら聞くが、新潟出身の漫画家は全員、背景に小菊の花を散らす演出を取り入れているんだな。そうなんだな。」
「そんなこと、確かめてみないと分からないじゃないですか。」
「確かめなくても分かる。」
そんな言い争いの中で、思案し続けていた店長だったが、ふと、何かに気付いて口を開いた。
「食べられる花があると聞いたことがある。その写真は、食用菊だな。これが、お前の聞きたかった答えだろう。」
「やっと気付きましたね。確かに、これは食用菊の写真です。」
「格好よく答えを言うには、時間が経ちすぎていますけど。週間連載だったら、次号へ続く。と言う言葉で締めくくられている所でしたよ。」
「ええい、途中で漫画の話をするから、こんなことになるんだ。さっさと次の問題を出せ。今度こそ即答してやる。」
意地になったのか、店長は声を荒げる。それを見ていた皆は、大人気ない態度だと思っていたが、携帯電話には、新たな写真が表示された。
「これで最後です。」