秋の焼き芋争奪戦
 そこにあるのは、楕円形の皿に盛られた麺料理の写真であった。

「最後だからと言って、難問を用意してきたな。」

「麺にはトマトソースがかけられていますね。それに、麺は太麺で、脇には、もやしが添えられています。」

「焼きそばにしては、麺が太すぎる。だが、焼きうどんと比べると、麺は細い。さっき、植物は専門外だと言ってしまったが、麺類も専門外だぞ。」

「焼きそば、焼きうどん、どちらも違います。そんな簡単な名前だったら、こんな風にクイズにしませんよ。」

「ううむ。写真だけでは分からない部分が多すぎるな。何とかして、ここに持ってくることは出来なかったのか。」

「お土産として持ち帰ることもできますが、冷めてしまいますよ。」

「冷めると言うことは、温かいうちに食べる物なんですね。ええと、そうなると……。」

 考え込む二人に合わせて、僕も考えてみたのだが、答えどころか、ヒントすら出せそうになかった。

「ええい、このまま時間切れになるのは耐えられん。何か無いか。さっき、あれだけ新潟の漫画家の話をしたからには、少しは知っているだろう。何かヒントになりそうなことを言うんだ。」

「そんな簡単に言わないで下さいよ。私だって新潟に行って来ましたが、お土産を買うのが精一杯で、殆ど観光をせずに戻ってきたんですから。」

「まぁ、じっくり考えて下さい。」
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