消える僕の前に、君が現れたら。
朝の日差しが眩しい。

いつの間にか、寝ていたみたいだ。

今何時…時計を手探りで探して見る。

ぼんやりと移ったデジタル時計は9時を過ぎていた。

確か昨日が9月25日だから、26は午後からだから、まだいいか…。

…ん?

日にちを確かめる。

机の上に置いてあるスマホを見ると、27日を差していた。

え、27日…確か、1限、から。

か、完全遅刻。やばい。

カロリーメイトを口にして直ぐに支度して出ようとした。

あ。

薬…飲まないと。

薬を勢いよく飲んで駅まで走って電車にとびのる。

走ってって言ってもあんまり走ったら危ないから駆け足程度だけど。

急がないと…1限は先生に溜まっていたレポートを提出するはずの時間だ。

電車の中はすいていたので席に座って一息つく。

「ふー…」

スマホを取り出してもう一度確認。

やっぱり、9月27日だ。

1日も、1日以上も、寝ていた…?

うーん、疲れてる時でも10時間くらい寝れれば十分な体なんだよな。体は十分じゃないけど。

寝てたから、薬飲んでなくてもいいよね。

でも何でだろう。

今までこんなことはなかったと思う。

ぐるぐる考えていたらあっという間に電車は着いた。

授業を受ける教室まで早歩きでいく。

バレないように後ろからそっと入る。

後ろの方の隅っこの席に静かに座った。

…よかった、気付かれてない。

影の薄さは相変わらずだ。

隣は見知らぬ女の人だけど、多分学生。

肩より少し長めのストレート。

髪はさらさらで少し距離をとって隣に座ったんだけどほんのりといい匂いがするから、少しだけ、ドキッとした。

けど最近の流行りの格好なんてどんなのかわかんないけどロングスカートにパーカーって感じの、無難な格好だった。

女の人は苦手な方だけど、ちょくちょくなるからまだいいか。

すると。

彼女は僕の方を向いて、じっと見てきた。


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