涙は空へと消えていく
『ざっきー先生おはよ!』

「黒木 おはようございます!だろ?」

『ごめんなさーい笑』

このくだりを毎日続けてる。

飽きると言ったら飽きるけど
もう、私にとって日課みたいなもの

「紗奈ほんとに遅刻するから急ご!」

そうだった、遅刻しちゃうよ

『まってー、置いてかないで!』

もう、早いよ 玲奈は…

「紗奈 前!」
ドンッ

いったいなぁ
『ハッ、すみませ…』
「ごめんな!怪我してへん?」

あれ?こんな人うちの学校にいたっけ?

『だっ大丈夫でふ!そそ、そちらは大丈夫ですか?』

うわ、うち焦りすぎだよ 落ち着け自分。

「もう、紗奈がしっかり前見ないからだよ?ごめんなさいほんとに」

玲奈にも謝らせちゃった。でも、なんかお母さんみたい笑

「いや、俺は怪我してへんけど…あっ、ここ血出とるけど。もしかして倒れて肘ついたときに擦りむいたんやろ?」

あれ?気づかなかった…
やばい、遅刻するよ笑
『大丈夫です!あっ、遅刻しそうなので行きまs』

「まって!これまだ使ってへんし教室行くまで肘でも押さえとき?ほなね、俺もう行くわ!」

そういって渡されたのはシンプルなグレーハンカチ

「紗奈!行かないと あと三分きったよ?」
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