今夜、夫婦になります~俺様ドクターと極上な政略結婚~
「どうした?」
「あ、いや……二つずつと思ったんですが、もしかして物によっては六つずつとか必要なのかなって」
よく、食器類は一種類六つで揃えるといいなんて聞いた記憶がある。
来客などを想定した場合、皿が二枚ずつしかないのでは対応ができない。
「誰かが来たなんてことを考えたら、ティーセットとかケーキ皿とかは最低六セットであった方がきっと安心ですよね?」
「なるほど。なら、そうした方がいいものは多く買っていけばいいんじゃないか? 支払いの時に言えば用意してくれるだろ」
「そっか。じゃあ、そうしますね」
怜士からの提案を受けて、食器選びを再開する。
デザインに気にいるものが多く優柔不断を発揮しながらも、なんとか必要最低限の食器を選び、会計へと向かった。
怜士に言われた通り、枚数を増やすものを店員に伝える。
会計は怜士がカードを出してあっさりと済ませていたけれど、それがブラックだったことに沙帆はついカードを凝視してしまった。