今夜、夫婦になります~俺様ドクターと極上な政略結婚~


その日の仕事は、十六時半には営業所に帰社し、業務記録を残して予定通り十七時を回ったところでタイムカードを押すことができた。

別れ際まで花梨に冷やかされ、沙帆は真っ直ぐにマンションへと帰っていく。

何時に終わるかと聞かれて、五時まで仕事だと答えた。


(怜士さんは、今日は大学病院勤務の日だから、何もなければ私と同じくらいに終わるはずだよね……?)


もしかしたら先に帰ってきているかもしれないと思い気持ちが急く。

今日は換気扇のダスト掃除にも入ったから、出かけるならできればシャワーを浴びたい。

すっかり慣れたコンシェルジュとの会釈を交わし、住まいの三十六階へと向かう。

カードキーで中に入ると、玄関に怜士の帰ってきた形跡はなかった。

パンプスを脱ぎ、リビングへと向かう。

部屋はやはり在宅の気配はなく、しんと静まり返っていた。


(まだ帰ってこないかな……?)


バッグからスマホを取り出し、連絡がきてないことを確認すると、沙帆は急いでバスルームへと向かった。

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