今夜、夫婦になります~俺様ドクターと極上な政略結婚~
一月中旬――。
週末、金曜日の夜。
沙帆はどこか落ち着かない気持ちでリビングのソファーに掛けていた。
最近、時間を見つけては観ている海外ドラマを流しながら、ちらりと広い窓の外に目を向けた。
初めはすごいと思って見渡していた高層階からの景色も、今は日常の中で当たり前にある癒しの眺めとなった。
少し前、怜士が帰宅した。
金曜日の今日は鷹取の病院の方に行く日で、通常の勤務後、明日の件で忙しくしてきた様子だった。
とうとう明日、鷹取総合病院の百周年記念祝賀会が執り行われる。
場所は、日比谷の歴史ある有名な一流ホテル。
病院関係者をはじめ、様々な方面から多くのゲストが祝賀に訪れるという。
「沙帆、これを」
リビングに入ってきた怜士が、手にしていた大きな紙袋二つを沙帆に差し出す。
その表面には、海外の有名ブランドのロゴが入っていた。