今夜、夫婦になります~俺様ドクターと極上な政略結婚~
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記念式典と祝賀会が執り行われる会場は、ホテルの大広間を貸し切って行われることになっていた。

普段、結婚式の披露宴や企業のセレモニーなどが行われる会場だ。

大花柄の豪華な絨毯に、天井からは煌びやかなシャンデリア。

入り口前の受付横には、ずらりと祝いのスタンド花が並ぶ。

沙帆が到着をすると、すでに多くの人の姿があり、遅くなってしまったかと一瞬焦ってしまった。

ほとんどが医療従事者だと聞いている。

親交のある医師や、大学関係の繋がり、鷹取の病院経営に携わる企業の関係者など、その招待客の多さに、沙帆は名簿を見て驚いた。

訪れる人々は皆、祝いの席に相応しい正装で、会場周辺は華やかな雰囲気に包まれている。

午後二時より記念式典が始まると、会場では病院長である怜士の父の挨拶があり、来賓からの祝辞、その後は鷹取総合病院の開院から百年の歩みが紹介された。


「では、今後の鷹取総合病院のさらなる飛躍、ご発展を祈念いたしまして、乾杯!」


会場の隅で式典を一人見守り、やがて祝賀会が始まると、お祝いムードが高まる会場の中で、怜士がやっと沙帆の元へと駆け付けた。

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