今夜、夫婦になります～俺様ドクターと極上な政略結婚～

「怜士、さん……」


首筋を伝い、ドレスのレースを纏った鎖骨に唇が触れると、沙帆は甘やかなくすぐったさに身を震わせる。

背中に回った怜士の手がドレスのファスナーを緩やかに下ろしていき、沙帆は急激に赤面するのを感じていた。

レースの袖を腕から抜かれ、ドレスの下の素肌が露わになる。

肩紐なしの下着の上から沙帆が胸元を両手で隠すと、怜士は美しく意地悪な微笑を唇に載せてスーツのジャケットを脱いでいく。

キングサイズのベッドの端にそれを投げやり、片手でネクタイを取り去った。

その仕草だけで、沙帆は鼓動をますます高鳴らせてしまう。

怜士はシャツのボタンを外しながら、沙帆の唇を深く強引に塞いだ。

唇を割り舌を誘い出されて、濃厚で大胆な口付けを仕掛けられる。

まだ慣れない深い口付けに、沙帆は息をするのも忘れて必死についていった。

キスだけでベッドに溶かされたように蕩けてしまった沙帆を、怜士は遠慮なく可愛がる。

怜士の唇や指先に与えられる甘美な悪戯に、沙帆は身体を震わせながら必死に怜士の腕や首に掴まっていた。