今夜、夫婦になります~俺様ドクターと極上な政略結婚~
「沙帆、水」
シーツに包まる沙帆へ、ペットボトルに入ったミネラルウォーターが差し出される。
「ありがとうございます……」
シーツで胸元を隠し上体を起こしながら、沙帆はおずおずと手を差し出した。
初めてを経験した身体は火照っていて、その強烈で甘すぎる体験に沙帆は怜士の顔が見れずにいる。
未だに体内にこもった熱が排出されずにぐるぐると回る。
「大丈夫か?」
「っ、あ、はいっ」
ベッドに腰掛けた怜士がクスッと笑みをこぼす。
「悪い……無理させたな」
「いえ! そんなことは……」
付き合った男がいたと言っていた沙帆が、まさか純潔を守っているとは、怜士は思ってもみなかった。
それがわかってできるだけ優しく触れたつもりだったが、愛した沙帆を前に理性が保てない自分がいたのは確かだ。