からめる小指  ~愛し合う思い~
「「「「メリークリスマス!」」」」

イブの今日

去年と同じで…………四人で過ごしてる。

千尋とはぁちゃんの計画は………

『高校生最後の今年は、みんなを幸せにしよう!』だったらしい。

小学生のような可愛い計画に、笑ったけど

ネーミング以上の思いが詰まっていた。

高校生卒業を前に、家族・友達・彼氏と………みんなにお礼をしたかったらしい。

友達はもちろん千尋とはぁちゃん。

何故か俺と樹もそのくくりらしい。

高校の思い出を振り返ると………

四人でいた時間が何よりも大切だったんだと言った。

料理も今年は全て手作り。

苦手なはぁちゃんも、包丁を使って大奮闘したらしい。

絆創膏だらけの指を見せて、得意そうに笑うはぁちゃんに

彼氏じゃない俺でも愛しいと感じたから………

樹は……たまらないだろうなぁ。

思いのこもった料理を美味しく食べ………

プレゼント交換をする。

今年はプレゼント交換をしないと聞いていた俺と樹は

何も用意してなかった。

これも忙しい俺達が余分な時間を取らないように、配慮したものだった。

二人は、それぞれに用意してくれていた。

アルバムだ。

担任だった頃やプライベートのもの等

俺達でもいつ撮られたのか気づかなかったものまである。

俺が隣に行けなかった間、二人は隣でこれを作っていたらしい。

これには俺も樹も感動した。

二人きりだったら………確実にキスしている。

今夜はゆっくり過ごそう、いっぱいお礼を言って謝って………

甘えさせたい!と思っていたのに……………

「今日は、9時に帰るね。
みんなにお礼がしたいから、家族と過ごします。」

「私もお姉ちゃんと過ごします。
先生達は、明日のクリスマスにいっぱいお礼をするから………
今日はゆっくり休んでね!
明日は、恋人のクリスマスだよ。」と

こちらも愛しい笑顔を見せて、帰って行った。

家族や姉ちゃんを大切にしたい気持ちも、もちろんホントだろうけど………

たぶん、俺達に無理をさせたくない配慮だろうなぁ。

二人は冬休みだけど、俺達は後2日仕事だから。
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