からめる小指  ~愛し合う思い~
「マスクだってちゃんとする。
呼ばれない時は、隣にいるから……………。」

「だったら呼ばないから……ずっと隣だよ。
それだと意味ないだろう。」

「それでもいいから。
隣でご飯だけ作って、そっとここに置いて帰るから……側に居させて。
困った時はメールで伝えてくれたら、飛んで行く。
それ以外は…………隣でずっと待ってるから。」

これには俺も根負けした。

元々、看病には憧れがある。

幼い俺は、どんなに熱が出ても一人で薬を飲んで寝ていた。

たまに様子を見に来た香里ねぇが気づいて、病院に連れて行って

看病してくれることはあったが…………

大抵一人で耐えていた。

だから、病気を心配してくれるのも………

看病をしたがってくれるのも…………経験はほとんどなく新鮮で嬉しい。
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