からめる小指  ~愛し合う思い~
「………………お姉ちゃん……………彼氏かも。」

不安の中に、姉ちゃんの友達の事も含まれていたようだ。

彼氏が出来た事を嫌がっているのではなくて………

話してくれない淋しさがあるらしい。

自分も俺とのことはまだ話してないから仕方ないけど………と言いながら

やっぱり淋しそうだ。

「私は先生が、大好きだし自慢だけど………
世間的には許されないでしょう?
だから………別れさせられても困るから、お姉ちゃんにも紹介出来なくて……
もしかしたら、お姉ちゃんもそんな人と付き合ってて
言えないのかな?って思うと心配で……。
お姉ちゃん、抜けてるから騙されてないかな?って。
この間『好きな人いる?』って聞いても
『いないよ』って平気で答えてて、ウソなんてつけなかったのに。」

千尋にとっての姉ちゃんって

憧れで、頼りになって……でも、支えてあげたくて

ホントに大好きな存在だ。

だから、自分が一番でなくなったことが不安で不満で………

相手の男が気になって仕方ないんだろうな。

前に俺が、彼氏じゃないの?って聞いた時に

『男の人が苦手だから違う。』と言っていたけど……

ホントは自分でも『そうかな?』と思いながら………

認めたくなかっただけなんだろうな。
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