からめる小指  ~愛し合う思い~
千尋の進路も無事に決まった。

家を出て県外に行く必要の無くなった彼女は………

ここから三駅先のフェリス女学院大学とウチを受験することにした。

もう少しレベルを上げることも十分可能だったが

通いが難しくなる為に諦めた。

『なりたいことがあるなら頑張るんだけど……
もう少し学びたいからだもん。
なりたいのは先生のお嫁さんだしね!』

そう言って、大学ではなく短大を選んだ。

『四年も待つなんて無理!
私が卒業しても先生がモテることに変わりはないし………
早く結婚したいもん。』と言って。

それには俺も賛成した。

樹のようにのんびり待ってやりたいが………

今でも心配なのに………無理だ。

就職は……短大を卒業する頃にまた二人で考えれば良いと話し

取りあえず、大学を卒業したら結婚しようと決めた。

これで大きな悩みは解決した。

後は……合格するように頑張ってもらうしかない。

まぁ、ウチの大学だと絶対合格だろうから安心している。

何せこの間の試験は、学年一番だったから。

受験に向けて全員が頑張ってる今、あれ程悩んで寝不足にもかかわらず

トップを取れるんだから。

それに、全部ダメだったら………俺のところにくれば良いし。

元担任で指導教師としては、失格だが………

最近ますます色っぽくなっていく千尋を、間近にする俺としては………

仕方のない事だと思う。

早く成長してくれないかな?
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