からめる小指  ~愛し合う思い~
3年生の担任の樹と………生徒指導を任されている俺は

他校の教師程ではないが………

夏休みはそれなりに、忙しくなりそうなのだ。

おまけに、ウチの学校は楽勝な二人だが………

それでも受験生と言うことで、勉強をしないといけないから

夏休み直前の、時間の取れる今日と明日

四人で泊まりに出掛ける事になった。

流石に、教師の俺達が……高校生の彼女達に手を出す訳にいかないから

四人で行くのは都合が良いのだ。

行きは樹が運転してはぁちゃんが助手席、俺と尋が後ろでゆっくり。

帰りは、逆になる。

久しぶりのデートに戸惑っているのか、二人とも大人しい。

「今から行く所は、先ず誰にも会わないから
安心して羽目を外して大丈夫だからな。
日頃出来ないお願いも聞いてやるよ。尋は何がしたい?」

「えっと……急に言われても…………。」

口ごもる尋に

「この間の遠足で…………
『先生と手を繋いで、ゆっくり外を散歩したい』って言ってたじゃない。
今日なら叶うよ!」と…………何とも可愛いお願いだ。

俺達の不埒な希望とは違いすぎる………

女子高生って純粋だ。

気を取り直してはぁちゃんにも聞いてみる。

「う~ん、私もやっぱり堂々と手を繋いで歩いてみたいかな?」

二人の答えは……同じ年頃の男の子と付き合っていれば

願うことなく、当たり前にしている行動だった。

それだけ無理をさせてるんだよなぁ。

「ヨシ!だったら今日と明日は『もう嫌だ~』っていうくらい
甘えさせてやるよ。
なぁ、樹!」

樹も今の答えを聞いて、思う事は同じだったようで

「あぁ、もちろん!
はぁちゃん、ちぃちゃん覚悟しといてね!」と笑っていた。
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