からめる小指  ~愛し合う思い~
カレー用のジャガや人参、玉ねぎを入れて戻って来る二人。

「ところで、カレーはいつ食べるつもりですか?
お昼には出発でしょう?」

尋の質問に「昼ごはんに食べて、残りは夫婦にあげたらいいよ!」と

何ともアバウトな考えだ。

「じゃあ、朝ごはんはお味噌汁とお魚とっていう
和食で良いですか?」

作る気マンマンの尋に

「ホントにちぃちゃんの手料理が食べれるの??」とびっくりする樹。

「だって……私以外作れないでしょう?」

3人の顔をぐるりと見回す尋に

「あれっ?ホントに知らないんだ、和君が料理すること。
和君って料理上手なんだよ。」と要らない情報を与える。

「えっ!!先生って………料理出来るの??」

先生呼びを反対されたこと等すっかり忘れている千尋は

思いっきり叫んだ。

「しぃー。
ウチは、おふくろが料理をしなかったから……見よう見まねでやってたからな。
本格的なものじゃないし。
尋が色々覚えて、バランスを考えて作ってくれるご飯は
ホントに美味しいし、嬉しい。」

フォローの言葉を話しても、拗ねた千尋には届かない。

「どうりで……………
初めて飲んで貰った運動会のハチミツレモン。
調合が良いとかって褒めた後で、『勉強したら料理も上手になる』と
言ってたはずだ…………………。」

見る見る落ち込む千尋を横目に、要らないことを言う樹を睨んだ。

「ちぃ!私は誰が何と言っても、ちぃの卵焼きが一番好きだからね。
明日の朝ごはんにもつけてよね!」

はぁちゃんのナイスなフォローによって、千尋のご機嫌は

何とか保たれた。

はぁちゃんナイス!
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