からめる小指  ~愛し合う思い~
「だったら、今夜がバーベキューだから………
朝ごはんは、和食が良いよね?
卵焼きとワカメと豆腐とお揚げさんのお味噌汁……
焼き魚とホウレン草のごま和えなんてどう?
はぁちゃんも手伝ってね。」

「うん、お皿出したり卵をまぜたりするね。」

女の子二人で相談しながら材料を吟味し、男二人はカートを押す。

うん、こんな時間も良いもんだ。

二人も後8ヶ月もすれば卒業する。

たとえ別々の大学に行ったとしても……

この二人の仲は、続くだろう。

………………俺と樹のように。

そうなったら、家族ぐるみの付き合いになっていくんだろうな。

そのうちお腹の大きな二人だったり、赤ん坊を抱いていたり。

賑やかだろう。

一人妄想の世界に飛んでいたら

「和君、俺と二人でカートを押して嬉しいのは分かるけど……
ニヤニヤし過ぎだよ!」と気色の悪い指摘が………樹から入った。

「アホ!
それより、寝るのはどうする?
あの二人で1部屋で良いか??
さすがに樹とはぁちゃんじゃあ、マズイだろう?」

「えっ!一緒じゃないの??」

アホな樹は一緒に寝て、手を出さない自信があるのか??

それとも………出す気マンマン??

俺の心配をよそに

「四人で寝れば良いじゃん!遅くまで遊んで。」と…………

「だったら、バーベキューのビールを禁止な。
飲んで襲ったら洒落にならん。」

「ええっ!酔っぱらわないじゃん、いつも。
絶対、大丈夫だよ。」

「絶対は無い!
一緒に寝るなら飲むのは禁止。
どっちかにしろ!」

……………っていうか、飲むな!

いつも思う事だけど、高校生と一緒にいて……飲もうとする

樹の神経が分からない。

仮にも俺達は、教師だぞ!

散々悩んでいたが…………

「やっぱり飲むのは止めて、はぁちゃんを取る。」と

ごく当たり前の結論を出した。
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