からめる小指  ~愛し合う思い~
「…………和……君、ビールはどれ?」

飲み物のコーナーに行くと、照れくさそうに俺を呼びながら

千尋がビールの銘柄を聞いてきた。

千尋の前では飲まないから、分からないみたいだ。

「ちぃちゃんも、ああ言ってるから………
一本だけでもどう?和君。」

千尋の言葉に便乗しようとする樹を睨んで

「今日は飲まないから、コーラにする。
尋はカルピスにする?はぁちゃんも尋も、飲みたい物を色々入れて。
お茶もいるし、適当に買っておいて。」

飲み物の次はおやつ。

女の子はこれがないと生きていけないのか?と思うほど

常に持っている。

アルコールによっては、チョコは少し食べるけど……

あんなにずっと食べるのは………絶対無理だ。

カートを覗くと、お菓子に隠れて酎ハイが一本だけ入っていた。

さっきはぁちゃんが、こっそり入れたものだ。

甘さがないから料理とも合う。

飲めない樹を気遣っての………はぁちゃんの優しさに免除することにした。

ウチのお嬢さん達は、年の離れた俺達にホントに優しい。

千尋が和食にこだわるのも……

俺がホントは、ビールよりも日本酒が好きだと言ったからだ。

卒業したら俺のアルコールも、解禁だと言ってあるから……

今から練習して、腕を磨いてくれてるんだ。

手が出せる時がきたら、アルコールは解禁しても良いだろうし。
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