からめる小指  ~愛し合う思い~
袋から出てきたのは……

アイマスク、ボディーブラシ、ビキニ。

ろくでもないとは思ったが……セクハラオヤジか!!

「樹!!」

怒る俺に構うことなく、真面目な顔で

「ちぃちゃんが、ビキニを着て足にナイロンを巻いて
ギプスを濡らさないようにするでしょう。
一緒に入った和君が、ボディーブラシで触らないように洗ってあげて
ちぃちゃんがビキニの部分を洗う時だけ、和君がアイマスクをつけるの。
これなら、洗ってる時滑って危なくないし
水着ならプールと同じだから、恥ずかしくないでしょう?」

「人の彼女のビキニを買うな!」

「だってちぃちゃんが、ビキニは持ってないって言ってたんだもん。
和君が一人で買いに行くなら、遥にあげるよ。」

意地の悪い顔で笑う樹に、蹴りの1つでもおみまいしたいが………

以外にも千尋とはぁちゃんが

「確かに、良いアイデアだよね。」

「恥ずかしいけど………プールだと思えば………」と

好印象なのだ。

勝ち誇った樹にイライラしながら、もらっておくことにする。

「和君、結果を教えてね!」

気色悪いウインクを残して

「遥、ちぃちゃんも疲れただろうから……
俺達はデートに行こう!」

樹の誘いにウキウキ腰をあげるはぁちゃん。

「今日はありがとうございました。
お風呂の心配までしてもらって。
治ったら、またお礼をしますね。」と千尋も送っている。

………………結局、風呂はあれで決定なのか??

密室にビキニ姿の千尋…………

体を洗って…………間違いはおきないよな??

一抹の不安を抱えつつ、二人を送るために歩き始めた千尋を支える。

「じゃあね。」

「ありがとう。」

「和君、ちぃちゃんと仲良くねっ!」

「アホ!」
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