からめる小指  ~愛し合う思い~
「尋、おいで。」

前屈みになって呼ぶと

「良いよ。」と苦笑いをする。

「来ないとお姫様抱っこをするぞ。」

俺の言葉にノロノロ近づいて来る。

樹とはぁちゃんを送って部屋に戻るのに

ハイハイしようと低くなる千尋に声をかけた。

「ずっとこんな事出来ないよ?
トイレだってキッチンだって移動するのに………」

おんぶが恥ずかしいのか、背中でグズグズ言ってる。

「いくらだってしてやるよ。
可愛い尋ちゃんは、おんぶされて甘えなさい。」

ヨシヨシと揺すってやると

楽しそうにキャッキャとはしゃぐ。

こうやって笑っていろ。

嫌な事は一緒に抱えてやる。

そうして着いたソファに座らせ

「俺、アイスコーヒーを飲むけど……何かいる?」と聞いてみる。

「大丈夫、のど乾いてないから。」

「はぁ~。
尋、怒るよ。
さっきもカルピス、飲まなかったよな?」

「…………………………。」

トイレに行くのにハイハイすると、立ち上がれない。

俺に連れて行ってもらうと迷惑をかける。

だから、あまり水分をとらない。と考えているようだ。

ホント、人に頼ろうとしないお嬢さんだ。
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