からめる小指  ~愛し合う思い~
アイスコーヒーとカルピスを入れて戻ると

いつもの定位の膝の間に尋を座らせた。

「尋、ルールを決めよう。
ギプスが取れて動けるようになるまで……ルールを守って。」

「ルールって?」

「一緒に決めていこう。
ただし、どうしても守って欲しい事だけ先に言っとく。
先ず、ハイハイは禁止。
足に負担がかかって治りが遅くなる。
後、ご飯は俺が作る。
もちろん座って出来るのは一緒に作ったり、尋に任せたりするよ。
水分は我慢しないで飲みなさい。」

「だって……トイレに行きたくなるもん。」

「だったら行けばいいだろう?
それくらい松葉杖を使っても大丈夫だから。
それより、欲しい物は遠慮なく言うこと。
買い物に行きたいならおんぶして連れて行くけどね。
嫌なら遠慮するなよ。
一応、これくらいかな?またあればルールが増えるけど。
後は二人で話し合って決めよう。」

「後って?」

「風呂はどうする?」

「えっ、さっき樹先生が出してくれたアイデアはダメ?
一人で入るのは怖いかな?って思って。
ビキニ姿だったらプールみたいだし。」

樹の口車にのって、しっかり安心している。

「ちょっと尋、本気で言ってる??
よく考えてみて。
俺は教師だけど、彼氏だよなぁ?
彼女の………尋のビキニ姿を見て一緒に風呂に入るんだよ。
大丈夫か?」

「う~ん。どうだろう?」

おいおい、自信がないなら入るな!

「…………でも……先生とだったら………
もしもそうなってもいいかな?って……………思うよ?
だって……先生の事……………大好きだもん。」

まったく………

人がどれくらい我慢してるか…………分かってるか?

「千尋、本気で言ってる?」

「………………うん。」

「だったら……遠慮しないよ。」

そう言って抱き上げる。

「えっ!?……………先生?」
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