からめる小指  ~愛し合う思い~
「…………千尋さん………1つ聞いてもいいでしょうか??」

いつになく自信のない物言いをする俺に

不審そうにこちらを見た。

「怒ってるのは…………千尋じゃなくて…………俺??」

俺の言う意味が分からないとばかりに………こちらをじっと見てる。

……………ということは、怒っているのは俺で良いんだろう。

何故だ?

…………………………………分からない。

「千尋さん…………ちょっと近づいてもいい??」

頷く彼女の隣に、一人分のスペースを空けて………座ってみた。

…………嫌がったり…………怖がったり………無理しているようには見えない。

大丈夫みたいだ。

「………尋…………抱っこして良い??」

キスやそれ以上のことだって………さっきしようとしてたのに

今は抱っこするのに…………ドキドキする。

頷く彼女に許可をもらって、そっと抱き上げる。

ホンの一時間なのに…………

彼女を遠くに感じていた分…………この温もりがとても愛しい。

膝の上の彼女も、小刻みに震えているから…………

たぶん同じように感じていたのだろう。

「「……………あったかい」」

二人同時の言葉に、同じ不安を感じていたのだと確信した。
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