からめる小指  ~愛し合う思い~
「わぁ!珊瑚の森………キレイ!」

「マナティーって、人魚姫のモデルだって~!?」

「次は、イルカショーね。」

広い館内を、右に左におおはしゃぎだ。

「千尋さん……………休憩しない?
オジサンにはキツイ…………。」

女子高生のパワーは、半端ない。

途中、何度か休憩を申し出て………アイスやジュースを口にして足を休ませる。

4日間、この調子か?

あれ程、手を繋いでデートしたいと言っていたのに………

カメラ片手に走り回り、手を繋ぐことすらない。

……………これなら、年末までの淋しさにも………耐えてくれるかな?

そう、今回の目的の1つに………

年末までは仕事が忙しくて…………デートが出来ないと言わないといけない。

これは、樹も同じで………

今頃、北海道旅行で話しているはずだ。

もちろん、俺の部屋や千尋の部屋を使って合うことは可能だけど

出掛けるのは、止めにしたいんだ。

時間は………作ろうと思えば作れるが…………

無理をして、卒業前に退学なんてさせたくない。

特に、二人共頑張って推薦を取り付けた今!

ムチャをして、取り止めにしたくないのだ。

これは、彼氏としてはもちろん

教師としても………将来を一緒に生きていく者としてもだ。

後悔させたくない。
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