からめる小指  ~愛し合う思い~
あの後、ホテルのプールを楽しみ

次の日は、ビオスの丘や琉球村を見て首里城に行き

沖縄らしい体験をした。

『せっかくカメラに残すなら、沖縄ってよく分かるのがいい。』という

千尋の希望によりコースが決まった。

1度修学旅行で見てると思ったが

プライベートで千尋と二人で見ると、全然違うイメージになった。

好きな人と一緒に見る風景や経験は、ふだんの生活すら

キラキラと輝くものなのかと………

年甲斐もなく、乙女のような想像をしてしまった。

そうして迎えたラストの日

みんなのお土産を買うために、国際通りに来ている。

千尋は相変わらず、楽しみにしていたスイーツに夢中だ。

「おい、さっき紅いもタルトとちんすこうを食べただろう?」

はぁちゃんに聞いたマンゴーソフトとバームクーヘンの店を探すのに

必至になってる。

「だって、はぁちゃんが写真に撮って送ってって言ったんだもん。」

そりゃあ、はぁちゃんお薦めの『ぜんざい』は美味しかったけど………

そう、俺の想像していた冬に食べる『ぜんざい』とは

全く違う食べ物だった。

氷の下には、煮豆がたっぷり入っていて

冷たいスイーツだった。

男の俺でも食べられるくらい、あっさりしていて

暑い沖縄にピッタリの氷だ。

イチゴやレモン、ブルーハワイでも後味が甘いけど……ホントにサッパリ!

今日見つけたら、もう一度食べて帰りたいと思っている。

「わぁ!可愛い。
ねぇ~見てみて!!蒟蒻石鹸だって、良い匂い。」

一通り食べつくし満足したのか

やっとお土産を見始めた。

午後の飛行機の便まで、まだ五時間はあるから

欲しい物をゆっくり探せば良い。

はぁちゃんと樹、後は姉ちゃんのお土産と……

二人の思い出になる物を見つける。

あちこち観光しながら、買ったり作ったりしたから

思った以上に買ってある。

ちゅら玉にガラスのコップ、何故かサトウキビの栽培キットまで………

これは育つのか?

姉ちゃんへのお土産らしく、クラスの子供に見せるらしい。

幼稚園児だと、こんなのでも喜んでくれるみたいだ。

高校生に見せたら、感動する前に

「先生、沖縄に行ったの??」

「誰と?ねぇ~、彼女さん?」

「プロポーズした?」

「私達、受験生なのにズルい!」と言われてやぶ蛇だ。

たった10年なのに………

可愛い幼児が生意気な女の子になるんだよなぁ。
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