からめる小指  ~愛し合う思い~
千尋は、俺の心配をよそに自分の生活を楽しんでいた。

部活もいよいよ残すところ1ヶ月ちょっとになり

次の部長と副部長を決めるため、大川先生や部長とミーティングをもったり

推薦の小論文の勉強や日々の学業をこなしたりと…………。

プライベートでは、一足早くウチの大学が決まったはぁちゃんと

残り半年を切った高校生活を楽しみ

ショッピングやおしゃべりをしているらしい。

……………らしいと言うのは……俺の所にほぼ顔を出さないからだ。

『仕事をして下さいね!』と言った日からほとんど……………

たまに廊下で見かけると、挨拶はしてくれるが……それだけだ。

沖縄で学校や外では彼氏を止めるとは言ったけど……………。

もちろん、俺との約束を守って頑張ってくれてるし

いつも笑顔で楽しそうだから………問題はない。

問題はないけど…………

何だか腑に落ちない。

毎日遅く帰る俺を思って、休日も部屋に来ないで

はぁちゃんと過ごしているのだけど…………………。

樹は心配にならないのか??

ここのところ、樹ともゆっくり話してない。

3年の担任が、この時期忙しいのは分かっているし

俺も負けじと忙しいのだから。
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