からめる小指  ~愛し合う思い~
「悪い、携帯に気づかなかった。」

電話の相手は樹だ。

アイツも担任らしく、千尋の合格は調べていた。

千尋が言うように、明日報告しても良かったけど……

ケーキを手に入れるために電話した。

さすがボンボン。

名前入りのケーキを用意してくれるらしい。

樹に頼み事なんて、千尋と付き合うまでしたことがなかった。

友達を利用するみたいで嫌だったから。

でも今は、千尋のためならなんだってする。

樹は、呆れるか面白がってるはずだ。

ビールとケーキを手に、家路を急ぐ。
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